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30年にも及ぶ「機動戦士ガンダムのプラモデルシリーズ」において、なにかと「史上最低の出来」扱いされているキットがあるのをご存知だろうか。今日日いわゆる「ガンプラ」はキャラクタービジネスの最大の存在と言っても過言ではない状況であるのだが、その「ガンプラ」神通力ですら陰りを見せていた時期がある。1990年代の前半がまさにその時期。
TVゲームやミニ四駆などプラモデル以外のホビーが大きく台頭し、その一方でバンダイのプラモデル「いろプラ」や「システムインジェクション」などの新技術が軌道にのりつつも、まだその使い道に答えの出ない時代。
模型はキット段階の「出来のよさ」で語られ、「プラモは駄目、ガレージキットがすごい」とか雑誌のキット改造記事を鵜呑みにした「語り」が横行した時代。
そんな時代にこのキットは現れた。そんな時代のせいもあったが、多くのモデラーがその出来に絶句した。
それがこの「ガンダムRX-78 GP-02A」である。
・・・・・・なんかかっちょわりーーーーー。
ホビージャパン誌では菅義弘(字あってるかな)の超絶改造が大喝采。
自分もそうしてみたくてキットを手にするも、断念。
だがしかし、キットをじっと見つめて思った。
「このキット、そんなに駄目かな?」
設定画稿と見比べてみた。
全体のボリュームバランスや形状、関節位置は概ね合ってるんじゃない?
画稿はデザインの河森氏の方向性か2Dのウソ、あるいは18メートルの絵表現と13cmの立体物の誤差の中に収まっているんじゃなかろうか。パーツ単位で悪いところを捜そうとしても見つからなかった。全体にモールドがだるいとか設計レベルが低いとかはあるにしても。
モールドがだるいのは近年の再販分だけかもしれないし、設計レベルが低いのは同時期展開の「機動戦士ガンダム F91」シリーズの商品展開に力を割いていたのではないかと考える。
劇中の巨大感あふれる雰囲気ではないものの、設定画稿の雰囲気は十分捉えている。でもなぜかこうなった。そう思っていいんじゃないかな。
印象を悪くしているのはだらりと下がって見える肩。設定通りの位置だが、
①両肩のバインダーの重みに負けている。
②設定画稿に比べ、腕が長すぎる。
③頭の位置が高すぎてより肩が下がって見える。
頭部は大きいと思われがちだがほぼ合っていると思う。顔が設定画稿のそれより大きく見えるのだ。
以上のことを踏まえ、修正してみた。
肩取り付け軸を3ミリ上に上げ、首を1.5ミリほど詰めた。やったのはそんだけ。
長すぎた腕もこうすると丁度良い。今日日のリニューアルキットのようなスマートさはないが、重厚な雰囲気を出してきてはいないか。明らかな弱点のあるものの、実はかなりの良キットであると言ってもいいだろう。
あとは全体にもっさりしたモールドをしゃきっとさせてやればHG/MGとはちがった魅力があると思うのだ。
股関節を本体と分離できるようにしているため、股関節位置が2ミリほど下がって脚が長く見えてしまっているが、後日もとの位置に戻すことにする。
さすがにアレすぎる拳骨はFGのものに置き換えた。